水に映る月
 

「オレみたいなんと関わったら、あかん。純ちゃんに良くないからな。」



言ってる意味が分からないよ‥



「だって、あたし‥、ケイちゃんすきやもん。」


「ありがと。そのキモチだけ戴いとくわ。」



キモチだけじゃイヤだ‥



「てかな、昨日今日、会った男に“すき”とかゆーなよ。純ちゃん、惚れっぽいんか?」


そんな風に訊かれて、とても傷ついた。

我慢し切れなくなった涙が、あとからあとから溢れて零れた。


「違う‥。あたし‥、すきになっ‥」


そのあとは、ただ泣いているだけ。

何も話せなくなった。


 
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