水に映る月
ファミレスを出て、カラオケに行ってショットに寄った後、彼らとバイバイした。
次に会う約束はしなかった。
すきになりそうだし、なったら面倒だし。
そんなカンジ。
「大阪、戻る?」
駅周辺を歩きながら、清香が訊いた。
「タケル君ちにでも、行こっかな‥。」
時々、泊まりに行く大学生の名前を出して、あたしが答えた。
ふと、ハザードを点滅させて、スモークを貼った白いワンボックスカーが路肩に横付けした。
きっと、ナンパ。
─ 車持ちなら送って貰えるな‥
そんなことを考えて、助手席の窓が開く様子を、あたしは歩きながら見ていた。