水に映る月
「遊びに行こうや。新車やし♪」
そう言って、窓から顔を出した男は、いかにも柄の悪さが滲み出ていた。
こんなのについて行ったら、輪姦(マワ)されて、六甲山に捨てられるのがオチ。
あたしは清香の腕を掴んで、引っ張るように早足で歩いた。
こっちにも選ぶ権利あるし。
けれど、清香は許容範囲が広い。
てか、相手を選ばない。
だから、一ヶ月くらい前、知り合ったヤクザにビジネスホテルで三日間監禁された。
モチロン、その間、ヤクザのオモチャ。
清香は、そのことを、あっけらかんと話してたっけ。
「怖かった~♪」
って‥。