ETERNAL CHILDREN ~永遠の子供達~

 フジオミはひどく腹立たしい思いで聞いていた。
 だがそれは、マナの言葉が全て真実であるのをわかっているからだ。
 マナは正しい。
 おかしいのは、狂っているのは、自分達の方なのだ。
 自虐的な思考に傾いていくのを、フジオミは敢えて止めなかった。
 そう感じることなど初めてではない。
 今まで、幾度となく味わってきたことだ。

 だが、それがどうしたというのだ。

 今更それを突き詰めて何になる。
 マナだとて知らないだろう。
 シイナの絶望を。

 意味のないこと。
 何も残せないこと。
 そうであれるはずだった自分に、なれなかったこと。

 それ故の絶望をマナには理解できまい。

 彼女は、全てを持っているからだ。

 だが、シイナには何もない。
 そして、彼女から全てを奪ったのが、他ならぬ自分だということも、今のフジオミは、痛いほどにわかっているのだ。
 けれども、その事実を、マナに非難してほしくはなかった。
「――全てわかったような顔をするのはやめてくれ」

 何もないからこそ求め続ける痛みを、決して理解することもできないのに。

「君がユウを愛していても、彼には生殖能力はない。しかも君とユウは親子だ。決して結ばれてはいけない。近親相姦は、人類にとって最も許されない行為だ。獣にも劣る。それが現実だ。
 君は君であるけれど、責任がある。義務がある。僕と同じように。
 愛情だけで、責任を放棄できるのか。僕と君に、人類の未来がかかっていても」
「――」
「ユウは死んだんだ。あの爆発では、どうあっても助からない。きみに残された選択は一つだ」
 それ以上の言葉を封じて、フジオミはマナを引き寄せると強引にくちづけた。
 そして、そのままベッドに倒れこんだ。




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