ETERNAL CHILDREN ~永遠の子供達~

「――」
 カタオカは眼を閉じてしばらく動かない。
 ただじっと、そうしていた。
 これで完全に、未来は断たれたのだと、彼は悟った。
 何が起ころうとも、フジオミとマナは結ばれることはない。
 彼等の間には、互いに寄せる愛情がないのだから。
 どんなにすぐれた科学と技術をもってしても、人間の心を説き明かすことはできなかった。
 その一番不確かな、すでに失われてしまったと思っていたものが、最後の未来を決定づけたのだ。

 何ということだろう。
 未来のために感情を切り捨ててきた人間が、それ故に滅びを迎えるなどとは。

 それは、深い虚無感としてカタオカの内部に組み込まれた。
 なぜこんなにも、虚しさばかりが広がっていくのか。
 自分には何かを強く愛することはできないのに。
 それは、もう失われた感情であるのに。
 強い愛情を向けるべきものは、この手に抱くことなく、この世界に生まれでることなく去った。
 そしてカタオカも、自覚することなくその感情を失った。

 持てるかもしれなかった子供。

 もしかしたら、シイナでも誰でもなく自分こそが、一番に新しい命を望んでいたのかもしれないと、カタオカは漠然と感じた。

 永遠に抱くことのなかった、自らの子供の代わりに。





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