隣人一目恋(りんじんひとめこい)
引っ越してきたあの子
学校が休みの日曜日

今日はどうやら隣に引っ越してくる人がいるらしい

母さんに言われ隣の引越しを手伝う事になった

「やぁすまないね。本当は娘もいたんだが…転校の手続きが忙しくて…」

見た目からして凄く優しそうな男の人が荷物を持ちながら話しかけてきた

「あっ大丈夫っすよ。力には自信ありますし。」

俺は力には凄く自信があった

あっ今更だが俺は朱王要(すおうかなめ)。一応高校2年生だ。
自分で言うのも何だが見た目は普通よりちょっと細くなよなよして弱そうな感じだがこれでもテニス部の部長なのだ。

まぁ俺の話もここまでにしといて…
俺は外に置いてあったダンボールを片手に二個、合わせて四個担ぎ家の中へと運んだ

「凄いね要くん。おじさんでも二個が限界なのに」

おじさんはダンボールを二個持ちフラフラしていた。
見ていると凄く危なっかしい。

自分が持っていた荷物を置き、おじさんの荷物をかわりに持ってあげた

「あと少しだからおじさんはやすんでていいよ。」

「そ…そうかい?じゃあよろしく頼むよ」

そう言うとおじさんは家の中に置いてあるダンボールを開け物を出す作業に入っていた。

俺も残りのダンボールを運び始めた

最後の一個を運んでいる最中に誰かに声をかけられた

「あれ…?貴方は誰?」

声のする方を振り向くとそこには―――

「あっ……」

綺麗っていう一言ではおさまらないほどに綺麗な女の子だった

いままで会ってきた女の子とは比べ物にならないほどだった

あまりの綺麗さにみとれているとダンボールの整理を終えたのか家の中からおじさんがでてきた

「あぁ柊じゃないか。やっと帰ってきたのか。」

「お父さん。」

どうやら話からするとこの女の人ははおじさんの娘らしい

確かに目元とか雰囲気が少しにている気がする。

「あっこの子は隣の家の朱王要くん。引越しの片付けを手伝ってくれてたんだ。

それと明日からお前が通うのと同じ高校なんだよ。わからないことがあったら彼に聞くといいよ」

おじさんに紹介された後、ふと彼女と目があってしまった。
するとニコッと微笑み俺に近づいてきた。

「手伝ってくれてありがとう。私は前原柊(まえばらひいらぎ)よろしくね要くん。」

スッと手を前に差し出された
少しして握手だとわかり手汗を服でふき彼女の手を握った

こんなこと言ったら変態かも知れないが凄く柔らかかった。
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