誘拐犯は…神様だったのです!



唖然とするような言葉に理解が出来なく紫音さんの腕に抱かれていると



お母様は少し興奮したように頬を両手で包む



「紫音ってば、やることはやってるのね!偉い!」


「………」


「…」


「娘も出来て孫もすぐに出来るなんて、私は幸せよ?凜さん、本当にありがとう!」


「…………」



その言葉に私は素直に返事も笑うことも出来なかった――…


その時のお母様の言葉は私の耳に入っていなかったのだから



あるのは、紫音さんとお母様の間で交わされていた"子供"のことだけで




ドクン、ドクンとずーと胸がイヤな音を立てていたのであった――…
















そしてこの問題が、私と紫音さんの距離を近づけ離すことになるとは


思ってもいなかった―…






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