誘拐犯は…神様だったのです!



広間でお母様と紫音さんの間で交わされていた会話を理解すれば


まるで近いうちに私が妊娠するみたいだ


お母様はそれを期待していて紫音さんはそれが当然だと思ってる


そりゃ、私達が本当に愛し合って結婚をしたならそれもありかもしれない。


だけど、私達は違うんだ…偽装で好きでもない人の子供まで産めって言うの?


「…ツヴァイさん!」

「…凜様…」


詰めよる私に押されたのか、視線を伏せると意を決したように私の瞳を真っ直ぐ見つめてくる


「その…実は我々はそのことに関して凜様に黙っていました」


「………」


「元々と言いますか、最初から私達は凜様には子供を産ませそれで解放する手はずになっていたのです」


「な、なにそれ」



そんなの聞いてないよ…


「隠していて申し訳ありません。ですが、もしそのことを話したら凜様は断ると思っていたので…」



それは、そうだけど…だけど、いくらなんでも…



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