誘拐犯は…神様だったのです!





これで、あとは花嫁を演じ続ければいいんだ


胸がホッとして、心の不安がなくなった時



「…ただ、一つだけ条件がある」


「…え?」

「それだけ守って欲しい」


なんだろう、条件って


「なん、ですか…条件って」



「…それは…」


「…?」


小さく呟き、私に近付きたち膝をしたまま座り込む私の顎を持ち上げ―…












「………!?」



チュ…と、唇に一瞬だけ触れるだけのキスが落ちる


「………え」


「今日から、キミの部屋はここ。契約が終わるまで私と同じ部屋で過ごしてもらうから」


「………………」



「母上にバレないためにも…それが条件」



「…」


そう言うと、顎の手を離しポカーンとする私に目もくれずドサッとソファーに座りこんでしまう



「…………」



そんな彼を背後に私はしばらく動けなかったのは言うまでもない―…









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