誘拐犯は…神様だったのです!



それは、そうだ。


紫音は今まで、誰一人として花嫁を迎えていなかった


そして、一番の被害者である紫音が人間を花嫁にするなど


信じられないんだろう




「どうやって、彼女は紫音様の目に止まったのだ」


「…さぁ、それは私も知らない」


「あの、紫音様が…人間をだなんて!ありえない。我らは納得しない!どうせ何かが目的なんだろう!人間はそんな奴らばかりだ!」


「……」


「人間は、冷たく残酷で他人などどうでもいいんだ!同じ命でも生き物は下だと考えている!風神様、そうお考えでしょう!」


「………あぁ」


「なら!」


「…わかっている。人間は残酷だと」


呟く風神は何を思ったのか、そう言うなり視線を足元に落とす


「わかっているなら、いくら紫音様の花嫁でも排除すべきです!人間に近づけば…いずれ紫音様もアン様のように命を落とします」


「………」


「そうならないためにも、あの女を排除しましょう」


冷たくいい、凜のあとを追おうとした時―…



「貴様ら、パルシュから少しでも離れたら私がお前らを手にかける」


「な…ぐっ!」


ドサッと彼らの身体が次々に地面に倒れる、口元から流れる血をふき風神を睨む



「風神様、なにを!!」

「二度と言わせるな。あいつを傷つけるのは許さない」


「…っ」


「もし、それでも殺ると言うなら私を倒してから行くといい」


再び刀を抜き、彼らに向けると数秒の沈黙の後に彼らはニヤリと笑う



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