誘拐犯は…神様だったのです!

黒い羽








――――――…
――――…





「…ここに…隠れればいいの?」



パルシュから走ること15分近く


あれから、ハヤブサに引かれるまま森の中を走り続け…


しばらくが経過した頃、私はハヤブサに案内された木のくぼみに隠れるように言われ身を小さくして座っていた


ハヤブサはと言うと、私の前で座りこみ、小鳥達と身体を寄せあっている



「………」


ハヤブサが何故か元気になったのは嬉しいけど



私には気がかりなことが一つあった


それは、さっき…私を逃がしてくれたフウさんのことだ…




戦闘体勢だった彼らと、私を逃がしたあとに何かがあった事は間違いないと、私はなんとなく感じていた



だって、フウさんは私達を追いかけてくる気配がなかったから


ハヤブサさんに引かれる中―…

何回も、何十回も…いや、数えきれないほど振り向いたけど背後には誰の姿もなかった


だから、なおさら不安で…大丈夫だろうかと…さっきから何回も同じことを考えてる



「……」


怪我してないよね?無事だよね?とか、殺られてないよね?とか


そんなマイナスの事ばかり頭をよぎり私はさらに身体を小さく丸め込み胸を痛めた



それと同時に私をさっきから襲うのは、腕の痛みと身体の熱、そして寒さや視界の乱れ





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