誘拐犯は…神様だったのです!





「だが…キミを抱いて、抱くたびに…ある行き場のない感情が私を苦しめた」


「…………」


行き場の、ない…感情?


「なん、ですか…それ」


「……………」

「…………」


「………………」


「…憎しみさ」


「…にく、しみ…?」


憎しみって、それと私にどうゆう関係があるの?


「あぁ…そうだよ」


「………」


キッと歯を食い縛り何か思いだしたように言う彼


「だから、もう…私におれ以上、キミを憎いと思わせないで欲しい」


「…………」


「キミといると、その憎しみのせいで…キミを手にかけてしまいそうなんだ」


「…紫、音さん…」


それって、私を……紫音さんの手で始末するってこと?



そんなの、そんなこと……


「紫音さんは、そんなことしません…っ」


「………」


紫音さんは、絶対にそんなことしない。だって、紫音さんが優しいこと…私は知ってるもん



「紫音さん、憎いとか…私にはいまだに意味が分かりません。でも…紫音さんは今まで私に危害なんか加えなかった。守ってくれました」



私がそう言うと、ピクリと肩が震える



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