誘拐犯は…神様だったのです!





うっ……あ…もう…っ



紫音さん…なんか、甘いよ…しかも今の…やきもちやいてるし…


う、嬉しいんだけど…なんか…胸がいっぱいで、どうかなりそう



「ほら、そろそろ寝よう」


「………」


「明日から、また忙しくなる…」


「………はい」


私の頭に顎をのせ、私は彼の胸に抱かれ…


暖かい温もりに包まれる



まるで、私の全身を奪われてるような気分



「あの、紫音さん?」


「……寝ろ」


「ね、寝ますよ…でも、これだけ言わせてください」



「…………」


「私…紫音さんに誘拐された日、紫音さんに初めてのキスを奪われました」


「…………」


「私の居場所も奪われ、ネックレスも近いうちに奪われる」


「……」


「それに、男の人におんぶされたり、抱きしめられたり、夜に一生の部屋で過ごすのも、全部初めてで奪われました」



「…この期に及んで…嫌みか?」


「ち、違います!いいから、聞いてください」


「……………」


「それで…それで…恥ずかしいですけど、夜会の夜にも…奪われました」



「…………」


「そして、私の気持ちも……全部」



全部、ぜーんぶ…私は紫音さんに奪われた



色々な初めてと、沢山の感情



その全てを神様である紫音さんに奪われたよ



そして…思いが通じ嬉しかったけど、拒否されて


何もかも奪われたことが悲しかった



辛くて、辛くて…辛くて


返して…なんて、思ったかもしれない




< 613 / 616 >

この作品をシェア

pagetop