恋と上司の甘い相関関係
そんな皆の話し声は、だんだんと遠退いていった。


──トクン、トクン…


聞こえるのは規則正しくて落ち着く心臓の音と


「ったく、心配だけじゃなく世話までかけさせやがって…」


という、面倒臭そうだけどほんの少し優しさが感じられる声。


拓海さん…心配してくれるんだね。



「迷惑、かけて…ごめ…なさい……」


「あぁ、後で始末書だな」



荒い息遣いの合間にやっとのことで言葉を紡いでいるというのに、どこまでもイジワルなんだから…。



だけど、その声も笑い方もいつも以上に優しくて、

抱きかかえてくれる逞しい腕も心地よくて…


あなたのすべてが、あたしを安心させてくれるんだ。



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