恋と上司の甘い相関関係
拓海さんの腕に揺られながら、フワフワとした意識の中で唯一ハッキリとしたもの。


それは、ようやく気が付いた自分の気持ちだった。



怒りと共に溢れ出たものは、心の中に収まりきらなくなった想い──


それはとても単純で

だけど認めるには勇気がいる


 “好き”


っていう想いだったんだ。



いつの間にか、拓海さんがこんなにも大きな存在になっていたなんて。




「あたしも…拓海さんの…味方、です……」



それだけ言ったら、なんだか満足してしまったみたい。



「…ありがとな、雅」


という彼の声を耳に残して、あたしは意識を手放したのだった──…






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