恋と上司の甘い相関関係

◇オトコの本心

side＊澤村 拓海

────
───
──

カタログを捲るフリをしながら、俺は目を閉じている雅の顔を見ていた。


長いまつ毛に小さな鼻、ピンク色の少し厚めの唇。

童顔な雅は美人というより可愛い。



だが、いくら童顔だと言っても体は大人の女。


下着姿を見て男が欲情しないワケないだろう。


しかも、あんな上気した困り顔に潤んだ瞳で可愛いことを言いまくるもんだから、理性を保つのにやっとだった。



…そんなこと、本人には言えないが。


余裕のある男──ただの上司のフリをするのも、最近じゃ少し疲れ始めてきている。


俺はカタログを静かにテーブルの上に置いて、ため息を吐き出した。