恋と上司の甘い相関関係
結城さんは、あたしの知らない拓海さんをたくさん知ってる。


一緒に過ごしてきた時間が長いのだから当たり前ではあるけれど…

心のちっぽけなあたしは、それにも嫉妬してしまう。


嫌だな、こんなの……。



人知れず落ち込んでいると、拓海さんがふいに立ち上がった。



「冗談はほどほどにして中に戻るぞ。熱中症になっちまう」


「だな。オレもニコチン満タンになったし!」


「私も倉庫に行ってきます」



拓海さんのおかげで話は切り上げられた。


考え込んでいたあたしは、さっさと建物の中へ入っていく部長サマ方に乗り遅れ……


一人残ったあたしに、結城さんが微笑みかける。


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