こちらミクモ探偵事務所3

結局何も言い出せなかった。

紘哉の不安を感じ取ったのか、芳樹は彼の肩をポンと叩いた。
何も言わずに見上げる紘哉。

「大丈夫。心配ないから」

「……」

「少しコンビニに行ってくるだけだから。危険はない」

「……」

芳樹はスーツをビシッと整えると、100万円をポケットに入れたまま、事務所の玄関へと向かう。

「おじさん」

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