こちらミクモ探偵事務所3

そう言うと、芳樹は黒いボイスレコーダーを手に取り、紘哉に渡した。

「あとこれ……色々と必要になると思うから渡しておく」

「あぁ……」

芳樹が急に身の回りの物を渡し始めてきている。
まるで、自分の形見を他人に預けるように。

紘哉は底知れぬ不安を感じた。

「おじさん……」

「なんだい?」

「……いや、何でもない」

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