こちらミクモ探偵事務所3

「分からない。けど、彼女の気持ちも察してくれ」

「……」

夏紀はうつむき、黙り込んでしまった。

精神的にもボロボロの夏紀に、酷いことを言ってしまったと若干思う。
しかしあの時の悠里の顔を見ると、どうしても言っておかなければいけない気がした。

また警察署内がしんとする。
雄太郎はまだ戻ってこない。

手持ちぶさたに窓の外を見ていると、紘哉の携帯電話が鳴った。
携帯電話を開き、画面を確認する。

相手は狸翠。
彼は慌てて電話に出た。

< 177 / 217 >

この作品をシェア

pagetop