こちらミクモ探偵事務所3

人はいないかと辺りをキョロキョロ見ていると、彼の肩に手が置かれた。

「君が紘哉くんだね?」

「え……」

少し驚いた表情をして振り向く。
そこには人の良さそうなおじさんが立っていた。

「最後に会ったのが小学校だっけね?覚えてる?」

「……まぁ、ハイ」

覚えているが、いい思い出ではない。
小学校低学年の時に、彼の万年筆を折ってしまい、こっぴどく怒られた。

それ以来会ってない。

< 35 / 217 >

この作品をシェア

pagetop