久遠の花〜 the story of blood~
命華を見つけること。
始祖を見つけること。
そして暇つぶしの材料がまだあるということに、笑いが止まらなかった。
「いい。いいぞいいぞ! 今世はこれほどまでに恵まれたか!!」
例えるなら、壊れた人形。ただ繰り返し、甲高く笑い声を上げるそれは、まさしくそう呼ぶに相応しい声を上げ続けていた。
己が受けた報いを、奴らにもしてやれる。いや、同じなど生温い。それ以上の報いを奴らに――!
その思いだけで、ディオスは長い月日を生きてきた。
復讐……。そんな言葉では簡単に言い表せないほどのものを、彼は抱えていた。
彼が求めるのはただ一つ――命華の始祖、それを手にすること。
その為ならば、他人の命など構わない。どれだけの者が血を流そうと知ったことっではない。先に仕掛けたのは――。
「お前たちカルムや人が、先なのだからな」
低く、冷たい言葉。
それまでの雰囲気は一変。
恨むような瞳で、ディオスは月を見上げる。
「必ず、お前を手にする。どんなに離れようと、我とお前は引き合う。――――必ずな」
決意に満ちた瞳は、茶色から紫へと色を変え。
これから始まる出来事に、期待と憎悪を膨らませていった。