久遠の花〜 the story of blood~


「貫いたなら、その血を箱へと注げ。そうすれば――レイナは解放される。
 いいな? 姫を助けたいと思うのなら、我の指示に従え。そうすれば、共にいられるようにしてやろう」


 こんな甘い言葉、信じる価値なんてない。
 約束など守るやつじゃないと知っている。知っているのに……





    〝オレだけの為に
        存在してほしい〟





 あいつと同じように、醜くなり果てようとしている自分がいた。





「わかり、ました。――――姫の血を、貴方に捧げます」





 視線の先には、彼女の姿が見える。

 昨日から全く目を覚まさず、あいつの力か、薬が強すぎた為に、もう起きないのではと心配で堪らない。






 手を伸ばせば届くのに。

 足を動かせば近付けるのに。





 やはりオレには、壊すことでしかお前に近付けないらしい。





 それがオレという証。

 生きている行動の原点。





 だからオレは――至高の花を、完成させるしかない。





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