幼なじみじゃイヤなんだ。
再び訪れていた沈黙の中


梅雨の湿った空気が、私の心をも湿らせていく。





「ねぇ、さっき上坂くんと何話してたのか教えてよ」





ずっと気になってる





「いや…」





ほら、またそんな顔をする。

一体何を言われて、そんなに傷ついてるの?





「上坂くん、何て言ったの?」


「なぁ、そんなに気になる?上坂のこと?」





質問で返されてびっくりした。

上坂くんのこと?





「上坂くんの言ったことは気になるよ」






そんな顔するから気になるんだよ。



少しの沈黙をおいてから、流瑠が静かにでもはっきりと言った。






「本当に大した事じゃないんだよ。そんな事、今更あいつに言われなくてもちゃんとわかってる」






流瑠が私に一歩近づいて、私を見つめる。


私も流瑠を見つめ返した。





「でも、俺にだってどうする事も出来ない、気持ちってものがあるんだよ」





その目は今まで私が見た事もない程、切なげに揺れていた。





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