幼なじみじゃイヤなんだ。
「えぇっ!?こ、困るよ、それは」


「そんなこと言われても、そもそも相澤さんが悪い」


「どうして!?」


「そんな顔して泣くから」


「え?」


「そんな顔して泣かれたら、そいつのことそんなに好きなの?って悔しくなる。だから、この一瞬だけでも僕のことで相澤さんの頭をいっぱいにしてやりたくて、こうしてるんだよ」


「…上坂くん」






そうだよね。

上坂くんと私は同じなんだ。


好きな人が別の誰かを見てる。



私は上坂くんを傷つけているんだ。




そんな風に考え込んで、抱きしめられていることも、抵抗することも忘れている私に上坂くんが言った。





「そいつと同じ笑顔なんでしょ?なら、僕にしときなよ」





上坂くんが口にした言葉を聞いて、思わず抱きしめられた姿勢のまま顔を上げる。





「も、もしかして、知ってたの?」




私が流瑠を好きだってこと。






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