幼なじみじゃイヤなんだ。
「ちょ、ちょっと!お父さん痛いよ!なんなの?」





私の言葉に耳もくれず、お父さんは無言のまま。


あっという間に流瑠の家に着いた。




お父さんはまるで我が家かの如く、流瑠の家の扉を開け、リビングに入る。




そこで、やっと手を離してもらえた。




流瑠の家にはもう、全員集まっていて口々に「お帰り~」と言ってくれる。





キッチンでは、おばさんとお母さんが食事会の準備を

リビングでは、おじさんと藍ちゃんと陸人がテレビを見てくつろいでいた。





その和やかな雰囲気の中、私と流瑠、そして、私の前に立ちはだかるお父さんだけが不穏な空気に包まれていた。


そして、お父さんの涙声によって、この家から和やかな雰囲気は完全に消えた。






「桜ぁ、なんなんだあの男は?」






全員の視線が一斉に私に集まる。






「え?だから、お父さんがなにを言ってるのかさっぱりわかんない!」



「お、お父さんは見たんだぞ!さっき駅のホームで一緒にいた男は誰だ?」






お父さんがキレている私に、少し怯(ひる)みながらそう言う。




駅?ホーム?

あぁっ!?


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