神様のイジワル



どれくらいだったのだろう…。

辺りは真っ暗になっていた。





でも、この前のような孤独て、寂しいわけじゃない。






2人が出会った海にいて、


隣には私の愛する優心がいる。


それだけでもう、十分だった。





それだけで…











「優心!!や…やっぱり私達、わか…別れよう。…うん、別れなきゃ。」




涙声、涙目になりながらも、笑顔で優心に話しかけたつもりだった。






優心は私のほうを見ようともしない。





どこか、水平線の果ての一点をぼんやりと眺めていた。




聞いてるのかな?と不安になりながらも、話を続けた。







「これからはさ、姉弟として仲良くしていこ!事実は事実で受け止めなきゃいけないし…」









お姉ちゃんとして、お姉ちゃんらしく、振る舞ったつもりだった……










けど優心は私の話を全て打ち消した。













「やだ、俺は。紗那と姉弟としてやってくとか、もう無理。俺は紗那のことが本気で好きなんだ……」













――――"スキ"――――――





今までなら聞いてすごく嬉しかった言葉。








でも、今ではもう―――切ないだけ。














「でも、やっぱりムリだよ。これからは――」


「紗那はそれでいいのかよ!?俺達の愛ってそんくらいだったの!?」


感情を抑えきれなくなった優心は私に言葉をぶつけた。




「俺はやだ。紗那が別れるって言うならもう会わない。全て忘れるために。」















え――――?






あわない……?




< 13 / 18 >

この作品をシェア

pagetop