神様のイジワル
それから私たちは、この海でよく会うようになった。
少年について知ったこと、
名前、有馬優心(アリマユウシン)
歳は私より1つ下だった。
気も合うし、何より優心といて楽しかった。
お互い、どんどん惹かれあっていた。
私は優心が好きだ、そう確信した。
俺も好きだ、そう言ってくれた。
このまま、いつまでも一緒にいれる、
そう、思っていた――
神様は私にどれだけのイジワルをすれば気がすむのだろう…
私は…
恋をしちゃいけないの…?
街中でバッタリ出会った、優心の母親。
「俺のカノジョ、涼宮紗那(スズミヤサナ)。」
彼女として紹介してくれたのがすごく嬉しかった。
だが…
「涼宮…紗…那…?」
私の名前を不思議そうに発する優心の母。
次の瞬間。
「…!ダメ!!優心!その子と付き合ってはダメ!!」
………え……?
「帰りましょ。早く!」
一瞬、何を言われたのかわからなかった。
「…!?なっ何だよ!?何でだよっ!?紗那は…」
「いいから!その子と関わっちゃダメ!!」
母親の手に引っ張られ――
目の前から優心と幸せな日々が消えていく――――
なぜ…
そんなことが起きたのか、わからなかった。