変態教師と私。【完】
驚く私にクスリと笑い、母親は留め袖の襟元を手直しして、スーツ姿の父親と兄貴に駆け寄る。

兄貴に抱き抱えられた愛玲菜に呼ばれて追い掛け、指定された料亭へと向かう。

家から近所にある老舗で、高いと聞いた事がある。



「敷居が高いな;;」



「あら?我が家も中の上、上の下でしょ?」



だとしてもだ!

日本庭園があるお店なんて。

両親が接待で行くお店より、格が上だと思う。



「…私、潰されそう…;;」



「愛があれば、大丈夫よ!」



母親って案外、能天気なのかも。

親子だけど、初めて知った。
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