【仮】首輪を,キミに。

こうして,早く学校行かないと!と思って家を出た刹那…

『あの…世憂姉?』

『きゃぁあ~!何コイツぅ~可愛い!にゃーんにゃーん』

その決意は何処かへ吹っ飛んでいった。

『…学校,そろそろ行かないと間に合わないよ』

家の前にいた三毛猫にメロメロになってしまったのだ。

『だってー,可愛いんだもんっこの,ニャンちくしょうめっ』

『ニャンちくしょうって…それ,名前?』

『そう♪』

名前までつけてしまった。

微妙なネーミングセンスだが…。

『ったく。やっぱり世憂姉は変わらないな』

結局,あたしが猫としぶしぶ別れるまで透は付き合ってくれた。



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