【仮】首輪を,キミに。

『俺,世憂姉のこと大好きなんだ』

『へ?急になに?』

『いいから。世憂姉が聞きたいって言ったんじゃん』

『あ,あたしはそういう事を聞きたいんじゃ…』

『俺は世憂姉を守りたかった。』

あ……。

この感じ,前と一緒だ。

『ごく最近までは大丈夫だった。大抵のことは守れた。…多少は怖い思いさせちゃったけど』

ふわり。透は儚く笑う。



『でも世憂姉はある日突然記憶を失った。』



『…ぅ』

『全然守れてなかったんだなーって思って』

辛そうな顔をする透。

『それは違うっ』

だからか,あたしは即否定した。





< 82 / 120 >

この作品をシェア

pagetop