記憶混濁*甘い痛み*2

友梨……

例えオマエが愛してやまないキリストから、条野を捨てろと言われたとしても……

決してオマエは、条野の手を離せないんだろう?

なぁ……?


空也はソファーに座り直すと、カメラを脇に置き、両手で頭を掻いた。


血が出そうな程、強く。


狩谷の言葉を、思い出していた。





でも、だからといって。





それが上手くいく保証なんて、どこにもない。





……キリストさんよ

友梨はアンタを、愛してるぞ?

娘を亡くしても、夫を忘れても、あんたの存在は忘れねぇで、毎日熱心に祈ってるぞ?








そろそろ

助けてやれよ。




無神論者のオレだけど




娘の為なら





いくらでも
祈るから------


  


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