初めては幼なじみ(涼サイド)~ずっと離さない~
その上大事な沙都をギリギリの状態まで追い込んで、どうしようもないヘタレな俺。
沙都に粋がって、大丈夫な振りしたけど、やっぱ内心は、今の俺が沙都と子供を養って行けるかってことだ。
当然、両方の親にも話さなきゃならないし、カッコ悪いけどしばらくは、両親に頼るしかないかも知れない。
互いの両親なら、きっと堕胎を勧めるだろうけど、俺と沙都の間に出来た子なら、これから先の俺の一生なんかくれてやってもいい。
今の俺にとって沙都はそれほど大事な存在なんだ。
感情を抑えきれなかった自分が悪いんだ。
沙都は悪く無い。沙都は……被害者だ。
目を閉じて、泣き崩れた沙都を思い出していた。
大事な沙都をここまで追い込んで泣かせた。
今まで、ずっと沙都を見守ってきた俺が……
沙都を泣かせた。
もう、泣かせたくない。
これ以上沙都を泣かせたくない。
診察室から出て来た看護師さんが、
「高井さんの付き添いの方」
そう呼んだので、思わず席を立った。