秘密恋愛
私は、やっぱり彼と、どこかで会ったことがあるんだろうか……。
いや、そんなはずは……。
どこかで会ったことがあるなら、お互いわかるはず。
なのに、彼のことは知らない。
でも……。
「あ、あの。聖夜さん……」
私の傍を離れ、再び窓の傍に立ち、降り続く雪を見ていた聖夜さんに声をかけた。
「ん?」
聖夜さんが、こっちに向く。
「あ、あの……」
なかなか次の言葉を発しない私を不思議そうに見る聖夜さん。
「……あ、やっぱり、いいです」
「何?途中で止めたら気になるよ?」
「いや、でも……」
彼に聞いてもいいのかな……。
前に、どこかで会ったことありますか?って……。