飼い犬に手を噛まれまして

「星椰、その人どなた?」


「ああ、今一緒に暮らしてる人。じゃ、俺たちここで」


 ワンコは、キラキラツヤツヤ軍団にひらひらと手を振って私を引っ張る。



「ちょっと、ワンコ! 何、その誤解を招くような発言は!」


「え、本当のことじゃないですか?」


「そうだけどさ……」


 ああ、この子、損なタイプだ。

 深陽さんに失恋して、相手してくれる女の子なんて大学に沢山いそうなのに、さっきの一言で私が恋人になっちゃうんだろう。

 もう新しい彼女連れてたよ、しかもオバサンだよ、なんて噂されて残念な子だ。


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