飼い犬に手を噛まれまして
「茅野紅巴っ!」
庶務課のドアがバン! と開いて、綺麗に化粧をしたスーツ姿の女性が三人。私を睨みつけた。
「はい? なんですか?」
「連行!」
「えっ? わ、ちょっと! やめてください! 私が何したっていうんですかぁー!」
リーダー格のスーツ姿の女が私の顎を掴んだ。
「茅野紅巴、顔はまあまあね。だけど、身だしなみが失格。黙って着いてきなさい」
「うわーっ!」
両肩を捕まれて、ズルズルと引きずられる。
「ちょっと! 秘書課! 勝手に茅野連れて行くんじゃないわよ! 庶務課の引き継ぎとかもしなきゃいけないんだから!」
リーダー格の女は、ふん、と鼻で笑うと「ごきげんよう」と萌子先輩に手を振った。