飼い犬に手を噛まれまして


「星梛くん来てるんでしょう? わかっているわ、だからはやくいれてちょうだい」


 母からの一言で指先から冷たくなっていく。



「あ、お父さん、お母さんいらっしゃーい。お待ちしてました。どうぞ」と私の代わりに扉を開いた星梛を存分に睨みつけると、冷たくなった指先が震えた。



「みはる?」


「どういうこと?」



 今度は私が星梛を壁に押し付けた。


「皆で話そ? そっちのほうが早いから」



 星梛は、にっこりと可愛い笑みをみせた。







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