華〜ハナ〜Ⅲ【完結】






次の瞬間には兄貴は消えて、柔らかな暖かい体温に包まれていた。



長い黒髪をうっとおしそうに払うこの女は、母親。



俺とよく似た切れ長の目を持っていた。



その隣には父親が笑っていて、俺たち3人を包む空気は暖かかい。






暖かい両親に、優しい兄。




俺が笑えば顔をほころばせる彼ら。





赤ん坊の俺は溢れんばかりの愛に包まれていた。





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