華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
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「僕は、少しの間旅行に行ってくるね。」
「にいちゃん……」
兄と彼女が出会ってからしばらくもしないうちに、どうしてそうなったのか、兄は一人で何日か旅行してくるね、と言って行ってしまった。
両親も何も言わないし、詳しい説明なんてものはなにも聞いていない。
まあ、聞いたところで幼い俺には理解できなかったと思うけれど。
兄が行ってしまったのは夜のことで、俺はそのまま、久しぶりに一人で眠った。