"朱雀"【唯一無二の光】



彼女の家の前につくと、顔をぐじゃぐじゃにして泣いている魅音がいた。

俺は魅音を力いっぱい抱きしめた。

すると嗚咽まじりの彼女の声が聞こえた。

「…私…汚れちゃったよぉ……」

そう言った彼女は俺に抱きつくと、さっきより強く泣いた。

彼女が泣き止んだのは、それから10分ぐらいがたったころだった。

「もう大丈夫です…ありがとうございました」

「ん…」

「えっと…上がっていきますか?私の親、今日帰ってこないんで…」

遠慮がちに言う彼女に俺は「お邪魔します」と言った。
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