"朱雀"【唯一無二の光】



その質問にはもう馴れてる。

だって友達がいつも聞いてくるんだもん。


「どうしたって、ただの軽い怪我だよ。家で転んじゃったの」

私はいつものように答えた。

「隆司…こいつはこの包帯をいつからしてた?」

え?

それ…聞いちゃう?

「えっと…確か…7ヶ月前くらいからだと思う…」

はぁー…

私は大袈裟にため息をはいた。

「7ヶ月もたって、治らない傷なんて、ずいぶんな怪我をしたんだな。……本当のこと話せ。」
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