先生の言うことがきけないの?


「ま、まじかよ、リーダー、どうすんですか!!」


「決まってんだろ、逃げんだよ!」


ガラの悪い男達ががやがやと騒いでる。


その間に、うちは谷内に肩を貸してもらい、階段を下りて外に出た。




ウーウー



外には3台ほどパトカーが来ていた。


3台じゃ全員のらないと思うなぁ…。


谷内に上着をかけられながら、そんなことを考えていた。




「悠莉!!!!!」



ふいに自分の名前を呼ばれ顔をあげると、そこにはあたしの親友がいた。


「実花…!!!」


うちらは泣きながら抱きしめあった。


「実花…ありがとう、警察と谷内呼んでくれて。本当、助かったよ…」


「あたしこそ…にげちゃってごめんね、こわかったでしょ?不安だったでしょ?もっと早く助けてあげられればよかった…こんな姿にさせて、本当にごめん。あたしのせいだ…」


うちの前で、大声で泣く一人の少女。


純粋で天然でばかで…どうしようもないやつだけど、うちの一番の親友だ。


「よしよし、おちつけ」


実花の背中をさすりながら、そんなことを考えていた。



< 55 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop