桐華ー天然ボケ男が学園の王子様(女子)に恋しちゃったら【完】
「あのプライドの高い恋理が土下座なんてするんだよ? 何か言葉なんて、言えなかった。言えたのは、ありがとうくらいだったかな……」
「………」
……俯いた影から雫がはたりと。
「なにも……いえなかった………あたしたちじゃ、恋理の心をすくってあげられなかった……あたしたちのためにもがんばってくれた恋理なのに、あたしたち、『もう大丈夫』とか、『いつもの恋理に戻った』とか、勝手に思って……。
恋理にせめて寄り添えたのは、氷室と彼方先輩だけだった」
「………」