pianissimo.
フッ――と、空気を吐き出したような音が聞こえた気がして、そちらに視線をやれば、ライガが開ききらない右目と共に左目も細め、喉を鳴らして笑っている。



「何?」

「いや、それって……いっつも? なのかなあと思って。その……そうやって花に話しかけるの」

「うそっ、私、声出してた?」

「うん、俺の耳が正常なら、凜子ちゃん、花に話しかけてた。『頑張れ、負けるな』とか何とか……」


まじですか。無意識に声に出していましたか。信じられない、恥ずかしい、恥ずかし過ぎる。



「えっと、凜子ちゃんは生け花委員かなんか?」

激しく動揺して言葉を失くしている私を気遣ってか、ライガは明らかに興味なんかないだろう質問を私にする。


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