pianissimo.
「ううん。ていうか、そんな委員ないでしょ? ただ、好きでやってるだけ」

答えながら、またグッタリとした瀕死状態のパンジーに視線を落とした。ああ、この子もう駄目かなぁ、どうしよう。


どうでもいいけど『凜子ちゃん』って呼ぶの止めて欲しい。これでもあなたの先輩だよ?

――とは言えない小心者の私。



「ふーん。キレイだな」



えっ……。



びっくりして思わず、勢いよく顔を上げてライガを見たら、途端、ふわっと視線を逸らされた。そうして花を眺めながら、

「いや、その花。パンジー……だっけ?」

私の勘違いに気付いたのか、申し訳なさそうにライガは小声で言う。


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