pianissimo.
「だから声、小さ過ぎて聞こえないんだってば」


「もういい。こんなの、何回もはマジ勘弁」

子どもみたいにふてくされてライガは言う。



「良くないよ」

「俺はもういい。聞こえねぇのは凛子先輩の耳が悪い」

「私の耳、悪くないし」

「悪ぃよ、絶対。耳鼻科受診を全力で勧めます」

「何それ? 行かないからね? 耳鼻科なんか……」

プリプリ怒りながらそう言い返し、そうして更に続けた。



「じゃあもういいよ。でもさ、残念。私が一番だから、ライガは二番」

「何だよ、聞こえてんじゃん」

ムッとしてそう返し、けれどすぐ、ライガは顔をくしゃりとさせて照れ臭そうに笑った。




ライガも私と同じことを思っていた。


本当は、もっと大きな声でハッキリ言って欲しかったけど、諦めることにする。





「ねぇ先輩……俺ってさ、『世界一、幸せ者』だよな?」


「残念。私が一番だから、ライガは二番」





甘い囁きは、pianissimo.





h24.5.6 Fin.




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