pianissimo.
追い打ちを掛けるように、ライガが私の肩にシレッと左腕を回す。
「ちょっとー!」
その腕の付け根をガシと掴んで文句を言うと、
「じゃ、歩いてよ」
と。何がそんなに可笑しいのか、クツクツ喉を鳴らして笑い、愉しそうに肩を揺らす。そんなライガを見ていたら、ブウたれているにも関わらず、無意識に口元が緩むから困る。
渋々足を動かして、ライガと並んで歩いた。密着しないと私の傘に入り切らない。少しでも離れれば、ライガは私が濡れないように傘をこちらに傾けるから、彼の右肩が思い切りはみ出してしまう。
気付けば、周りに居る生徒たちの視線がこちらに集中していた。
やっぱり……まずいんじゃないかな。
「ちょっとー!」
その腕の付け根をガシと掴んで文句を言うと、
「じゃ、歩いてよ」
と。何がそんなに可笑しいのか、クツクツ喉を鳴らして笑い、愉しそうに肩を揺らす。そんなライガを見ていたら、ブウたれているにも関わらず、無意識に口元が緩むから困る。
渋々足を動かして、ライガと並んで歩いた。密着しないと私の傘に入り切らない。少しでも離れれば、ライガは私が濡れないように傘をこちらに傾けるから、彼の右肩が思い切りはみ出してしまう。
気付けば、周りに居る生徒たちの視線がこちらに集中していた。
やっぱり……まずいんじゃないかな。