pianissimo.
結局、後の荷台にライガを乗っけて、雨の中、私は必死で自転車をこぐはめに。


「俺がこごうか?」とか、そういう『女子扱い』いはナシですか、そうですか。



気が付けばいつも、ライガが持ってくれている傘は私の方へ大きく傾いている。その度に振り返って、「ライガくん、濡れてる」と指摘してやれば、「ほんとだ」とヘラリと笑い自分の上へと戻す。でももう、すっかり手遅れの状態。

『末期のビショ濡れ』だ。


多分、わかっていてわざとやっていると思う。思い上がりかもしれないけど。そして、ライガを買い被り過ぎかもしれないけど。

なんとなく、そんな気がする。


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