pianissimo.
「ねぇ、良くわかんないんだけどさ、彼女も危ないんじゃない? 拉致されたりとかしないのかな。ドラマとかの見過ぎかな、私」


「それが大丈夫なんだよね。だって彼女のお兄さんも、また別の族の幹部らしいし。だからあの子と付き合い始めてから、ライガがうちの学校の生徒にボコられることなくなったじゃん」


ああ、それで……。


あんな清純そうな子のお兄さんが暴走族だなんて、とても信じられないけど。火のない所に煙は立たぬって言うしね。全くのデタラメって訳でもないかも知れない。



「ほんと、ライガって抜け目のないヤツだよね。人を巧く利用するっていうかさ。最低」

郁香が嫌悪感剥き出しで顔を顰めて言う。


「ふうん」

とだけ返して、何もない机の上に視線を落とした。


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