待ち受けカノジョ。
オレが勝手に決めちゃっていいって事?
 
父ちゃんからそんなに信用されてるとは思えないんだけどな。


「両親は海外に行ってて、あと4日は帰って来ないんです」

「そうですか、それは困りました…」


よし。

滝沢順平、いきまーす!!


「いいです。このまま続行して下さい」

「で、ですが、いくら息子さんのご判断でも、やはり施工主の方と直接お話をして了解を得ないとですね…」


カーン!

監督VSオレ、バトルのゴングが鳴りました!!


「新装オープンの日は貼り出されてあるし、お得意さんにもお知らせのハガキをとっくに出しているんです。こちらも商売ですから、オープンの日に間に合わなくてお客さんに迷惑かけるような事は、絶対にできません」

「ごもっともでございます。しかしですね、こちら側としましては、そういうわけには…」

「未成年の僕じゃ責任がとれないし話にならないのもわかります。でも、今の状況は父の言う『最悪の場合』ですよね」

「はぁ…そうは言われましても」

「そもそも、そちら側のミスがなければこんな状況にはならなかったんですから」

「はぁ…」

「それより、床はどんな色を頼んでるんですか?」

「床ですか、ええと…完成図では、黒のタイルになりますですね。あ、このカラーサンプル表のこちらでございますが」

「なるほど。じゃあ、それは変更します。こっちのウッドブラウン系の色にして下さい」

「えっ、床もですか」

「はい。黒タイルじゃどうしても壁の雰囲気に合いませんから。色違いなだけですから、値段は同じですよね?」

「しかしですね、在庫があるかどうかなんですよ。あったとしても、これから配送の手配をすると、やっぱり2日はかかりましてですね…」

「こちらとしては、オープンが遅れてもいいんですよ?2日分の売上げ分を保障して頂くようになりますけど」

「わ、わかりました。すぐ手配いたします…」


カンカンカンカーン!

試合終了ー!


オレの勝ちっ!!
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